Peter Davies と デイヴィス鍵盤
 
  1. はじめに
  2. デイヴィス鍵盤とスケール
  3. デイヴィス鍵盤とコード


1. はじめにPeter Davies with his Opal

 Peter Daviesピーター・デイヴィス)氏(右の写真)は*デイヴィス・キー配列(Davies Key Layout(DKL))とそれを搭載したデイヴィス音楽鍵盤(Davies Musical Keyboard(DMK))を発明したその人に他なりません。
 ピーター・デイヴィス氏の卓越した発明は21世紀の鍵盤楽器に革命をもたらす可能性を秘めており、今後、数多くのデイヴィス音楽鍵盤が世に送り出されることが期待されます。
 ピアノ型鍵盤が広く普及したこの数世紀の間、ピアノ型鍵盤の短所を克服して人々に新たな選択肢を与えようとする試みはほぼ皆無でした。わずかな例外は、19世紀末に Paul von Janko によって発明された「ヤンコ鍵盤」と20世紀末にピーター・デイヴィス氏が発明した「デイヴィス鍵盤」の二つだけなのです。
 「ヤンコ鍵盤」は数多くのピアノ線が並列に張られたピアノの構造を変えることなく、ピアノを習得しやすくするためにキーの配列に工夫を凝らしたものです。「ヤンコ鍵盤」は、現在も、日本の Chromatic Music Lab社の製品「Chromatone CT-312」 に引き継がれています。詳しくは下のサイトをご覧ください。
http://chromatone.jp/
デイヴィス・キー配列は、Sonome, Melodic Table, Harmonic Table などの名称で言及されることがあります。
 一方、ごく最近の発明である「デイヴィス鍵盤」(「デイヴィス・キー配列」と「デイヴィス音楽鍵盤」の二つを総称して、以下、「デイヴィス鍵盤」と呼ぶことにします。)は、それまでにない全く新しい自由な発想から生まれました。あえて、影響があったとすれば、発明者のピーター・デイヴィス氏がギター製作家であることからギター奏法の反映がうかがえることと、デイヴィス氏の数学的・科学的知見が生かされていることが挙げられます。
 現在、デイヴィス鍵盤を製造・販売しているのは、ピーター・デイヴィス氏自身の会社である The Shape of Music社(英国)と C-Thru Music社(英国)の2社だけです。The Shape of Music社は、主にプロ向けのデイヴィス鍵盤である「Opal」を製造・販売し、C-Thru Music社は一般向けの「AXiS-49」と「AXiS-64」を製造・販売しています。これら2社についての詳細は、各社のホーム・ページをご覧くさい。
The Shape of Music社
http://www.shapeofmusic.com
C-Thru Music社
http://www.c-thru-music.com

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2. デイヴィス鍵盤とスケール

 ここではデイヴィス鍵盤の一つであるAXiS-49を例にとって、デイヴィス鍵盤上でスケール(音階)がどのように扱われるのかのおおよそをお話します。
 図1はAXiS-49上の絶対音の配列を示しています。濃い青色とうすい青色のキーは、相対音を弾く時の目印となるものです。ギターの指板にあるマークのようなもの、とお考えください。

Figure 1

 メジャー・スケール(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、 ド゛の音階)を弾 くには、下の図2と図3に示す2種類の形(shape)を覚えるだけでよく、それは何調であっても変わりません。
 例えば、メジャースケールをCから始めるとすると、一つは、Cから右横方向のDへ進む形で、図2の赤矢印が示すようになります。

Figure 2

 もう一つは、Cから左斜め上のDへ進む形で、図3の緑色の矢印が示すようになります。

Figure 3

 図2と図3で示した二つの形を交互に組み合わせると、図4が示すとおり、垂直上方向へCから始まるメジャースケールを4オクターブに渡って弾くことができます。

Fugure 4

 次に、 C# から始まるメジャー・スケールを弾くとどうなるでしょう。 ピアノ型鍵盤の場合は C から C#へ半音移調しただけでとたんに難しくなってしまいます。デイヴィス鍵盤ではそのような難しさは一切ありません。下の図5に示すように、先ほど弾いた C から 始まるメジャー・スケールの<形(shape)>をそのまま C#へずらすだけでよいのです。これはギターの演奏方法にとてもよく似ています。

Figure 5

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3. デイヴィス鍵盤とコード

 上で見たように、デイヴィス鍵盤はスケールをギター感覚で弾くことを可能にしてくれます。同様に、 コード(和音)もギター的な感覚で弾くことができるのです。
 ギターでは、基本となる少数の押さえ方の形(shape)を覚えてお けば、それらを発展させて多種類のコードを弾くことができます。こ れと同様に、デイヴィス鍵盤では下の図6と図7で示す2つのの基本形から様々な コードへ発展させることができます。しかも、これらの形はデイヴィス鍵盤上のどこであっても同じであり、何調であっても変わりありません。

Figure 6&7

 以下、図6と図7で示した二つの基本形からの発展形のを示します(図8〜図15)。

Figure_8_9

Figure_8_9

Figure_12_13

Figure_14_15

 ジャズなどで多用されるテンション・コード(tension chord)も、2つの基本形(図6,図7)に音を足していくことによって得られます(図16,17)。

Figure_16

Figure_17

 最後に、「コードの展開」について触れておきましょう。
 デイヴィス鍵盤では、下の図18を見ると明らかなように、左下から右上に斜めに並ぶキーの列(例:赤色の線で示した列)では、キー2つおきにオクターブ上または下の同じ音が現れます。
 また、右下から左上に斜めに並ぶキーの列(例:緑色の線で示した列)では、キー3つおきにオクターブ上または下の同じ音が現れます。

Diagnal_arrays


 上記のことを利用して、図6で示したコードの基本形を展開してみます。下の図19から図22までをご覧ください。同じ要領で様々なコードを様々な形に展開できるのです。

Open_voicing_1

Open_voicing_2

 スケール(音階)とコード(和音)は多種多様で簡単に全体像を把握できるものではありません。肝心なのは、基本の形から様々なスケールとコードをみずから発見していくことです。
 デイヴィス鍵盤は、数学的・論理的に構築されており、皆様の音楽的発見をおおいに手助けしてくれることでしょう。

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